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2009年7月号 |
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特集すぐ効くコスト削減
景気のせいにしていけないのは分かっている。しかし、もう背に腹は変えられない。すぐ効く物流コストの削減策には、どのようなバリエーションがあるのか。どの手法が自社にマッチしているのか。どれだけの効果を見込めるのか。導入するうえでのポイントは何か。各分野のスペシャリストや実務家が、平時であれば推奨しない禁じ手を、その副作用も含めて紹介する。いずれも取扱注意の劇薬だ。
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解説 物流費の相場と交渉技術を知る
物量の減少は対売上高物流コスト比率を悪化させる。追いつめられた荷主企業の物流部門は、なりふり構わぬ経費の削減に乗り出している。しかし、運賃は既に底値。倉庫は長期契約。社員のクビは切れない。どんな手を打つべきか。交渉の落としどころはどこにあるのか。
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第1部 トラック運賃―多段階構造にメス
運賃を下げなくても費用は抑制できる。経済環境の悪化は、過剰な物流サービスや合理性を欠いた商習慣、運送業の非効率な多段階構造など、これまでタブー視されてきた制約条件にメスを入れる格好の口実になる。不況に便乗して突破口を開け。
■相場―運賃叩きは限界に
■元請け飛ばしで実運送会社と契約
■配送便数を2割下げる「SaaS」
■「運行3費」にまで口を出す
■貸切や路線を共配に変える
■サービス水準の切り下げ
事例報告 横乗り調査で現場の実態を把握
青木正一 日本ロジファクトリー 代表
運賃水準や積載率などのデータだけで判断すれば痛い目にあう。そう考えて配送トラックの助手席に同乗し、現場を把握する“横乗り”調査を覚悟した。全く予想していなかった事実が次々に明らかになっていく。食品卸Y社の配送費削減プロジェクトでのことだった。
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第2部 保管費―減額交渉の好機到来
賃貸借契約が更新を迎えるのなら必ず賃料交渉をしたほうがよい。周囲の空室物件の募集賃料を引き合いに出せば、オーナー側は応じざるを得ない局面だ。もとの賃料にもよるが、5%程度の減額は見込める。契約期間の途中であっても今なら、契約条件の変更や減坪に応じるケースもある。
■相場―過半数が値下げを承諾
■営業倉庫の在庫を社内に引き上げる
■契約条件を変更して流動費化する
現状報告 「7割以上の物件で値下げの余地あり」
笠井大祐 ビズキューブ・コンサルティング 代表
市場調査 「半年で募集賃料は6.4%下落した」
曽田貫一 一五不動産情報サービス 代表
リーマンショック以降、首都圏の物流施設マーケットは供給過多が顕著になっている。オーナーサイドが空室解消を優先した結果、募集賃料はこの半年で6.4%下落した。中長期的に見れば現在の水準は底値である可能性が高い。テナントにとっては有利な条件で長期契約を獲得するチャンスだ。
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第3部 人件費―直接雇用&内製化
派遣社員の“2009年問題”で再び業務請負が復活すると見られていた物流現場の労働市場が思わぬ展開を見せている。人手不足から一転、極端な人余りに需給が大きく傾いたことで、直接雇用アルバイトへのシフトや余剰正社員の物流移管が一斉に起こっている。
■相場―労働力確保が容易に
■日雇い派遣を直雇アルバイトに
■余剰人員を物流現場に異動する
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第4部 国際物流―知らないとボラれる
グローバル化が進んだことで、これまで国内だけを見ていれば良かった物流部門も国際物流と無縁ではいられなくなってきた。トラック一辺倒の管理とは全く異なる知識とテクニックが求められている。キャッチアップしないと足元を見られる。
■国際輸送の運賃相場と基礎知識
■海上運賃―欧米航路で大幅下落
■航空輸送―回復は海上貨物より後
■フォワーダーVS船会社直接契約
■混載をやめてコンテナ単位にまとめる
事例報告 富士フイルムの国際輸送管理
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KEYPERSON「需要管理にSCMの歩を進めろ」
楢村文信 野村総合研究所 上級コンサルタント
世界同時不況はSCMに大きな教訓を残した。港や倉庫を大量の余剰在庫が埋め尽くす様は、これまでのアプローチの限界を露呈させた。需要を予測して生産を調整するだけでなく、需要の創造とコントロールに歩を進める必要がある。
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キリンビール〈グループ統合〉
グループ企業の需給・物流機能を吸収
運用体制を整備して子会社に業務移管
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ジョンソン・エンド・ジョンソン〈3PL〉
ヤマトロジスティクスをパートナーに
全国12カ所の倉庫を2拠点に集約
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米郵政庁(U.S.
Postal Service)〈郵政民営化〉
今年度60億ドル超の赤字見込む
配達頻度の削減許可を議会に要請
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プラスロジスティクス〈環境事業〉
オフィス家具のリサイクル事業が本格化
オークション運営軸に独自モデルを構築
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物流企業の値段《第51回》
國枝 哲 みずほ証券 エクイティ調査部 運輸セクター シニアアナリスト
近鉄エクスプレス
中長期的には増収増益基調を回復
環境激変への対応力にも期待
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物流IT解剖《第28回》
バンテック
約半年でERPを立ち上げ経営基盤を刷新
5億円を投じた統合配車システムも稼働
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海外トレンド報告【Report】
欧米SCM会議(12)
米ウォルマートの呼びかけを契機に
サプライチェーンに活動領域を拡大
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト
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海外トレンド報告【News】
欧米編・中国編
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第86回》
〜大先生の日記帳編 第21回〜 全体最適を決して諦めるな!
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奥村宏の判断学《第85回》
GM破綻の意味するもの
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佐高信のメディア批評
雑誌メディアが報じる芸能プロのスキャンダル
芸能界最大のタブーと闘うジャーナリストたち
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物流指標を読む《第6回》
日通総合研究所 佐藤信洋 運賃大暴落は起こらない
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物流業のリスクマネジメント《第6回》
宇野 修 ロジスティクスバンク 代表 TAPA 輸送・倉庫セキュリティマネジメントシステム
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The International
Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告
原子力発電における保全業務革新
新検査制度の実施で新たなフェーズに
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DATA BANK
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●国土交通省 月例経済報告
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CLIP BORD
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●「運輸業の市場開拓と競争」/神奈川大学の中田信哉教授が新刊
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主要記事索引 |
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88 |
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編集後記 |
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広告索引 |
[ 特集 ]
すぐ効くコスト削減
2009年7月号
景気のせいにしていけないのは分かっている。しかし、もう背に腹は変えられな
い。すぐ効く物流コストの削減策には、どのようなバリエーションがあるのか。ど
の手法が自社にマッチしているのか。どれだけの効果を見込めるのか。導入するう
えでのポイントは何か。各分野のスペシャリストや実務家が、平時であれば推奨し
ない禁じ手を、その副作用も含めて紹介する。いずれも取扱注意の劇薬だ。
[ 特集 ]
解説 物流費の相場と交渉技術を知る
2009年7月号
物量の減少は対売上高物流コスト比率を悪化させる。追い
つめられた荷主企業の物流部門は、なりふり構わぬ経費の削
減に乗り出している。しかし、運賃は既に底値。倉庫は長期
契約。社員のクビは切れない。どんな手を打つべきか。交渉
の落としどころはどこにあるのか。
[ 特集 ]
第1部 トラック運賃 多段階構造にメス
2009年7月号
運賃を下げなくても費用は抑制できる。経済環境
の悪化は、過剰な物流サービスや合理性を欠いた商
習慣、運送業の非効率な多段階構造など、これまで
タブー視されてきた制約条件にメスを入れる格好の
口実になる。不況に便乗して突破口を開け。
[ 特集 ]
事例報告 事例で学ぶ現場改善《第78 回》 横乗り調査で現場の実態を把握
2009年7月号
青木正一 日本ロジファクトリー 代表
運賃水準や積載率などのデータだけで判断すれば痛い目に
あう。そう考えて配送トラックの助手席に同乗し、現場を把
握する“横乗り”調査を覚悟した。全く予想していなかった
事実が次々に明らかになっていく。食品卸Y社の配送費削減
プロジェクトでのことだった。
[ 特集 ]
第2部 保管費 減額交渉の好機到来
2009年7月号
賃貸借契約が更新を迎えるのなら必ず賃料交渉をし
たほうがよい。周囲の空室物件の募集賃料を引き合い
に出せば、オーナー側は応じざるを得ない局面だ。も
との賃料にもよるが、5%程度の減額は見込める。契約
期間の途中であっても今なら、契約条件の変更や減坪
に応じるケースもある。
[ 特集 ]
市場調査 半年で募集賃料は6.4%下落した
2009年7月号
曽田貫一 一五不動産情報サービス 代表
リーマンショック以降、首都圏の物流施設マーケット
は供給過多が顕著になっている。オーナーサイドが空室
解消を優先した結果、募集賃料はこの半年で6. 4%下落
した。中長期的に見れば現在の水準は底値である可能性
が高い。テナントにとっては有利な条件で長期契約を獲
得するチャンスだ。
[ 特集 ]
第3部 人件費 直接雇用&内製化
2009年7月号
派遣社員の“2009 年問題”で再び業務請負が復
活すると見られていた物流現場の労働市場が思わ
ぬ展開を見せている。人手不足から一転、極端な人
余りに需給が大きく傾いたことで、直接雇用アルバ
イトへのシフトや余剰正社員の物流移管が一斉に
起こっている。
[ 特集 ]
第4部 国際物流 知らないとボラれる
2009年7月号
グローバル化が進んだことで、これまで国内だけを
見ていれば良かった物流部門も国際物流と無縁では
いられなくなってきた。トラック一辺倒の管理とは全
く異なる知識とテクニックが求められている。キャッ
チアップしないと足元を見られる。
[ keyperson ]
「需要管理にSCMの歩を進めろ」楢村文信 野村総合研究所 上級コンサルタント
2009年7月号
世界同時不況はSCMに大きな教訓を残した。港や倉庫を大
量の余剰在庫が埋め尽くす様は、これまでのアプローチの限界
を露呈させた。需要を予測して生産を調整するだけでなく、需
要の創造とコントロールに歩を進める必要がある。
[ ケース ]
キリンビール グループ統合
2009年7月号
グループ企業の需給・物流機能を吸収
運用体制を整備して子会社に業務移管
[ ケース ]
ジョンソン・エンド・ジョンソン 3PL
2009年7月号
ヤマトロジスティクスをパートナーに
全国12カ所の倉庫を2拠点に集約
[ ケース ]
米郵政庁(U.S. Postal Service) 郵政民営化
2009年7月号
今年度60億ドル超の赤字を見込む
配達頻度の削減許可を議会に要請
[ ケース ]
プラスロジスティクス 環境事業
2009年7月号
オフィス家具のリサイクル事業が本格化
オークション運営軸に独自モデルを構築
[ 値段 ]
第51回 近鉄エクスプレス
2009年7月号
中長期的には増収増益基調を回復
環境激変への対応力にも期待
[ 物流IT解剖 ]
第28回 バンテック
2009年7月号
約半年でERPを立ち上げ経営基盤を刷新
5億円を投じた統合配車システムも稼働
[ 海外Report ]
欧米SCM会議?米ウォルマートの呼びかけを契機にサプライチェーンに活動領域を拡大カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト
2009年7月号
「カーボン・ディスクロージャー・プロジェク
ト」は、総資産五七兆ドルにも上る、世界の
有力機関投資家たちが主導して設立した非営
利団体で、企業に対し環境情報の開示を求め
ている。これまでに収拾した情報量は同分野
で世界最大規模を誇る。さらに二〇〇七年に
はウォルマートの依頼を契機に、その調査対象
をサプライチェーンにまで拡大した。新設した
組織「サプライチェーン・リーダーシップ・イ
ニシアチブ」の最高開発責任者を務めるニー
ゲル・トッピング氏がその取り組みを語る。
[ NEWS ]
欧米編
2009年7月号
豪州メルボルンに本社を置く大手
物流業者トール( Toll)は、インド
と中国で事業基盤を強化する。イン
ドで現地物流企業「B─Cロジスティ
クス」を買収し、中国では深圳の合
弁会社「ST─Andaロジスティク
ス」を一〇〇%子会社化した。
[ NEWS ]
中国編
2009年7月号
DHLは、四川省成都市高新区に
シェアードサービス会社「敦豪(成
都)商業サービス」を設立すると発
表した。
[ 道場 ]
大先生の日記帳編 第22回 全体最適を決して諦めるな!
2009年7月号
できることはすべてやり尽くした。そう考えるのは、
まだ早い。大不況に直面し、これまで聖域とされてきた
制約条件を、改めて見直そうという機運が生まれている。
壁を乗り越えるチャンスだ。取引先や協力物流会社を巻
き込んで、サプライチェーンの全体最適化に挑め。
[ メディア批評 ]
雑誌メディアが報じる芸能プロのスキャンダル芸能界最大のタブーと闘うジャーナリストたち
2009年7月号
『サイゾー』の六月号が「芸能界最大のタブ
ー」のバーニングプロに迫っている。同プロの
社長がドンと呼ばれる周防郁雄。北野誠が無
期限謹慎となったのは、このドンを怒らせた
からだという。
[ 物流指標を読む ]
第7回 運賃大暴落は起こらない
2009年7月号
●トラック事業者の大量廃業で供給過剰は緩和
●既存事業者も青息吐息で値下げを許容できず
●燃料価格の上昇機運も運賃下落の歯止め材料に
[ SOLE ]
原子力発電における保全業務革新新検査制度の実施で新たなフェーズに
2009年7月号
原子力発電における保全業務革新
の概要を、「整備(Maintenance)」と
「補給(Distribution)」の二つの観点か
ら、その概要を報告する。「整備」の
目的は、運転時の施設の即応性を向
上させることにある。一方、「補給」
の目的は「整備」に必要となる交換
部品、試験機材、要員、技術情報な
どの即応性を向上させることにある。
これらの「整備」と「補給」の保全
業務革新の共通の業務基盤となるも
のが作業指示書(ワークオーダー)で
あり、ワークオーダーに基づく作業管
理方式の導入が保全革新の本丸にな
る。
[ CLIP ]
「運輸業の市場開拓と競争」神奈川大学の中田信哉教授が新刊
2009年7月号
新たな市場(顧客)を開拓し、拡
大する。あらゆる産業の経営にとって、
最も重要なことだ。当然、トラック事
業者を中心とする運輸業も例外では
ない。しかし、市場開拓・拡大を図
るために必要な考え方を備えたトラッ
ク事業者は決して多くはない。本書
は「トラック業の市場の特性」「荷主
企業の行動」「トラック業の販売する
サービス商品」などを分析・解説する
と共に、トラック業界構造の今後やト
ラック業の経営・営業、サービス開発
の在り方を示している。