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2009年8月号 |
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特集
政治と物流
──荷主主導に舵を切れ
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10 |
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第1部 民主党が勝つと何が起こるか
次の総選挙で民主党が政権を取ったら日本の物流行政は大きく転換する。50年続いた自民党、霞ヶ関、物流業界の蜜月は終わる。同時に規制緩和政策が後退し労働規制が強化される。パートと正社員の同一賃金・同一労働が進み、物流現場の風景まで一変する。
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12
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第2部 アジアの新興国になぜ負ける
アジア物流の核は既に中国に移っている。ハブ機能もシンガポールや韓国に奪われた。日本は今では台湾やマレーシアなど2番手グループの地位さえ危うい状況だ。中国は別格としても経済規模ではるかに劣る進行国に、物流でなぜ負けるのか。
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14
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第3部 議員が語る物流政策の争点
長浜博行 民主党参議院議員(「次の内閣」国土交通大臣)
「負の遺産を白日の下にさらけ出す」
国土交通政策に蔓延する個別最適主義を一掃する。聖域である特定財源や暫定税率にもメスを入れる。自民党の残した負の遺産の延長上では抜本的な改革はできない。いかに霞が関が混乱しようとも、“創造のための破壊”は厭わない。
根本 匠 自民党衆議院議員(アジア・ゲートウェイ戦略会議担当官)
「霞ヶ関を動かせるのは自民党だ」
日本の物流インフラが国際競争力を失った最大の原因は、縦割り行政と省庁の強い縄張り意識にある。それを打破するには、政治家個人が役所と渡り合えるだけの理論武装をする必要がある。民主党の議員たちにその用意があるとは思えない。
泉 信也 自民党参議院議員(航空対策特別委員長)
「健全な競争には社会的規制が必要だ」
物流業界の規制緩和は今後も続く。生産性の低い企業が淘汰されることで市場は活性化する。ただし、健全な競争環境が整備されなければ、淘汰のメカニズムは十分に機能しない。公正取引委員会を始めとした監視機能の強化を検討する必要がある。
奥野信亮 自民党衆議院議員(元バンテックCEO)
「民主党は説明責任を果たしていない」
民主党の公約は財源の裏付けを欠いている。具体策は一向に出てこない。代表や副代表など最高幹部の疑惑に対しても十分な説明責任を果たしていない。冷静に評価すれば、民主党に勝たせることが国益にならないのは明らかだ。
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24 |
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第4部 新・総合物流施策大綱を読む
政府は7月14日、総合物流施策大綱(2009-13)を閣議決定した。向こう5年間の物流行政の基本方針を示したものだ。国交省、経産省、財務省などの各省は大綱の内容に則って関連政策を進める義務を負う。その全文を掲載し、本誌が独自の注釈を加えた。
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32 |
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第5部 儲けたければ“白書”を使え
花房 陵 イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
政府や各省庁が発表する白書や指針は単なる“お題目”ではない。その後の政策の青写真が明確に映し出されている。最新の物流施策大綱の叩き台となった「2010年代に向けての物流戦略委員会・最終取りまとめ」には物流に関するビジネスチャンスが数多く隠されている。詳細に中身を読み解けば、次に打つべき一手が見えてくる。
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2 |
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KEYPERSON
「それでも市場に決めさせた方がマシだ」
中条 潮 慶応義塾大学 教授
景気対策の名を借りて保護行政が復活している。政治家や官僚に依存すれば産業は停滞する。公共事業の民営化や規制改革が後退することで、物流インフラの効率も悪化する。日本の国際競争力がいっそう低下してしまう。市場競争に淘汰を委ねるほうが、よほどマシだ。
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ヨークベニマル〈一括物流〉
生鮮品のインフラ刷新を軌道に乗せ
加食と日雑の統合センターに再挑戦
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フェデックス・コーポレーション〈金融危機〉
需要減少で宅配便・LTLとも業績が急落
DHLの市場撤退も収益性にはマイナスに
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42 |
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日本ロジテム〈国際物流〉
需要減少で宅配便・LTLとも業績が急落
DHLの市場撤退も収益性にはマイナスに
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物流企業の値段《特別編》
村山 誠、大庭正裕
野村證券金融経済研究所 企業調査部 公益インフラ産業調査室 2009年3月期 物流企業決算ランキング
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54 |
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物流IT解剖《第29回》
第一貨物
GPS機能付き携帯を車両に配備し
アセット生かす3PL事業を支援
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58 |
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海外トレンド報告【News】
欧米編・中国編
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62 |
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第88回》
〜大先生の日記帳編 第23回〜 トラック業経営者の逆襲
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66 |
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奥村宏の判断学《第87回》
危険な会社──持株会社
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68 |
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佐高信のメディア批評
6割の学生が将来ホームレスになることを危惧
その異常さに驚く感性をメディアは持つのか
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70 |
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物流指標を読む《第8回》
日通総合研究所 佐藤信洋 実感無き景気回復
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72 |
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物流業のリスクマネジメント《第7回》
宇野 修 ロジスティクスバンク 代表 国際貨物保険のマネジメント
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78 |
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事例で学ぶ現場改善《第79回》
日本ロジファクトリー 青木正一 代表 物流子会社の存続可否を判断する
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The International
Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告 SCMを経営戦略に活かせるか
コンセプトと方法論の進化を解説
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特別レポート
ジョーンズラングラサール調査
―ベイエリアの物流不動産賃料、前四半期4.5%マイナス
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●国土交通省 月例経済報告
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●「物流とロジスティクスの基本」/本誌連載でお馴染みの湯浅和夫氏が新刊 |
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主要記事索引 |
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編集後記 |
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広告索引 |
[ 特集 ]
政治と物流
2009年8月号
──荷主主導に舵を切れ
[ 特集 ]
第1部 民主党が勝つと何が起こるか
2009年8月号
次の総選挙で民主党が政権を取ったら日本の物流行
政は大きく転換する。50年続いた自民党、霞ヶ関、物
流業界の蜜月は終わる。同時に規制緩和政策が後退し
労働規制が強化される。パートと正社員の同一賃金・
同一労働が進み、物流現場の風景まで一変する。
[ 特集 ]
第2部 アジアの新興国になぜ負ける
2009年8月号
アジア物流の核は既に中国に移っている。ハブ機能
もシンガポールや韓国に奪われた。今では台湾やマレー
シアと並ぶ2番手グループとしての地位さえ危うい状態
だ。中国は別格としても経済規模でははるかに日本よ
り劣る新興国に、なぜ物流で負けるのか。
[ 特集 ]
第3部 議員が語る物流政策の争点「負の遺産を白日の下にさらけ出す」
2009年8月号
長浜博行 民主党参議院議員(「次の内閣」国土交通大臣)
国土交通政策に蔓延する個別最適主義を一掃する。
聖域である特定財源や暫定税率にもメスを入れる。自
民党の残した負の遺産の延長上では抜本的な改革はで
きない。いかに霞が関が混乱しようとも、“創造のため
の破壊”は厭わない。
[ 特集 ]
第3部 議員が語る物流政策の争点「霞ヶ関を動かせるのは自民党だ」
2009年8月号
根本 匠 自民党衆議院議員(アジア・ゲートウェイ戦略会議担当官)
日本の物流インフラが国際競争力を失った最大の原
因は、縦割り行政と省庁の強い縄張り意識にある。そ
れを打破するには、政治家個人が役所と渡り合えるだ
けの理論武装をする必要がある。民主党の議員たちに
その用意があるとは思えない。
[ 特集 ]
第3部 議員が語る物流政策の争点「健全な競争には社会的規制が必要だ」
2009年8月号
泉 信也 自民党参議院議員(航空対策特別委員長)
物流業界の規制緩和は今後も続く。生産性の低い企
業が淘汰されることで市場は活性化する。ただし、健
全な競争環境が整備されなければ、淘汰のメカニズム
は十分に機能しない。公正取引委員会を始めとした監
視機能の強化を検討する必要がある。
[ 特集 ]
第3部 議員が語る物流政策の争点「民主党は説明責任を果たしていない」
2009年8月号
奥野信亮 自民党衆議院議員(元バンテックCEO)
民主党の公約は財源の裏付けを欠いている。具
体策は一向に出てこない。代表や副代表など最高
幹部の疑惑に対しても十分な説明責任を果たしてい
ない。冷静に評価すれば、民主党に勝たせること
が国益にならないのは明らかだ。
[ 特集 ]
第4部 新・総合物流施策大綱を読む
2009年8月号
政府は7 月14 日、総合物流施策大綱(2009-13)を
閣議決定した。向こう5年間の物流行政の基本方針を示
したものだ。国交省、経産省、財務省などの各省は大綱
の内容に則って関連政策を進める義務を負う。その全文
を掲載し、本誌が独自の注釈を加えた。
[ 特集 ]
第5部 儲けたければ“白書”を使え
2009年8月号
イーソーコ総合研究所 花房陵 主席コンサルタント
政府や各省庁が発表する白書や指針は単なる“お題目”
ではない。その後の政策の青写真が明確に映し出されて
いる。最新の物流施策大綱の叩き台となった「2010 年
代に向けての物流戦略委員会・最終取りまとめ」には物
流に関するビジネスチャンスが数多く隠されている。詳細
に中身を読み解けば、次に打つべき一手が見えてくる。
[ keyperson ]
「それでも市場に決めさせた方がマシだ」中条 潮 慶応義塾大学 教授
2009年8月号
景気対策の名を借りて保護行政が復活している。政治家や官
僚に依存すれば産業は停滞する。公共事業の民営化や規制改革
が後退することで、物流インフラの効率も悪化する。日本の国
際競争力がいっそう低下してしまう。市場競争に淘汰を委ねる
ほうが、よほどマシだ。
[ ケース ]
ヨークベニマル 一括物流
2009年8月号
生鮮品のインフラ刷新を軌道に乗せ
加食と日雑の統合センターに再挑戦
[ ケース ]
フェデックス・コーポレーション 金融危機
2009年8月号
需要減少で宅配便・LTLとも業績が急落
DHLの市場撤退も収益性にはマイナスに
[ ケース ]
日本ロジテム 国際物流
2009年8月号
インドシナ東西回廊で定期便の運行開始
AFTAの関税撤廃をにらんで先手打つ
[ 値段 ]
二〇〇九年三月期物流企業決算ランキング
2009年8月号
上場物流企業の業績は軒並み落ち込んだ。上期の燃油価格高騰に下
期の荷動き減少が追い打ちをかけ、六一社合計の売上高・営業利益は
七期ぶりに減収減益に転じた。特にトラック運送や航空貨物の不振が
目立っている。一方、3PL、食品物流、港湾・倉庫などは比較的堅
調な結果となった。
[ 物流IT解剖 ]
第29回 第一貨物
2009年8月号
GPS機能付き携帯を車両に配備し
アセット生かす3PL事業を支援
[ NEWS ]
欧米編
2009年8月号
ドイツの大手総合物流業者、ダク
サーは、海外での事業基盤強化を進
めている。ブラジルで新たに現地法
人を設立するとともに、現地フォワ
ーダーを買収。また、台湾の現地法
人への出資比率を引き上げた。
[ NEWS ]
中国編
2009年8月号
中国の全民間航空会社の四月の営
業収入は、前年同月比一四%減の二
二四億四〇〇〇万元(三一四一億六
〇〇〇万円)、利益は七億三〇〇〇
万元(一〇二億二〇〇〇万円)とな
った。
[ 道場 ]
大先生の日記帳編 第23回 トラック業経営者の逆襲
2009年8月号
荷主企業の理不尽な運賃叩きに敢然と立ち向かうトラ
ック運送会社が目立ってきた。仕事に自信のある運送会
社は、荷主を選ぶ。直面する不況を合理化のチャンスに
変える力も持っている。目先のコスト削減に走って有力な
協力会社とのパートナーシップを失った代償は高くつく。
[ 判断学 ]
第87回 危険な会社──持株会社
2009年8月号
「一人株主」となる持株会社の存在は、責任逃れの「脱法行為」だとい
う見方がある。そもそもそれは多数の出資者が設立するという株式会社制
度の原則に反している。ここ10年ほどで異常に増えた持株会社は、日本に
何をもたらしたのだろうか。
[ メディア批評 ]
六割の学生が将来ホームレスになることを危惧その異常さに驚く感性をメディアは持つのか
2009年8月号
メディアの描く「現実」とナマの現実に乖離
があるのは致し方ないのかもしれないが、こ
れほどまでにと思わせるのが『創』八月号掲
載の「ドキュメント雨宮革命」である。雨宮
処凛がある大学に招かれ、学生に次の四つの
質問をした。
[ 物流指標を読む ]
第8回 実感無き景気回復
2009年8月号
日通総合研究所 「企業物流短期動向調査」
●今般の景気回復説は学術的見解にすぎない
●経済指標の対前年比は大幅マイナスを記録
●生産財・投資財の荷動き回復が本格復興の鍵
[ 物流業のリスクマネジメント ]
第7回 国際貨物保険のマネジメント
2009年8月号
荷主や物流会社のオフィスには国際物流における未処理
のクレーム案件が山積みとなっている。誰もが嫌がる日陰
仕事であるため処理が後回しにされがちで、専門知識を持
った人材も不足している。まずは国際貨物保険のマネジメ
ントシステムを確立する必要がある。
[ 現場改善 ]
第79回 物流子会社の存続可否を判断する
2009年8月号
N社はグループ内に物流子会社を六つも抱えていた。その一つ、T
社を存続させるべきかどうかについて、外部の物流専門家の立場か
ら検証することを依頼された。親会社は恐らく最初から答えを持って
いた。その裏付けが欲しかったのだろう。T社の実力を評価してい
くうち、そのことがわかってきた。
[ SOLE ]
SCMを経営戦略に活かせるかコンセプトと方法論の進化を解説
2009年8月号
六月のフォーラムでは、大阪大学
大学院を今年三月に定年退官した西
垣葵氏が、昨年度の大阪大学大学院
経済学研究科および経済学部での講
義「SCM」全十三コマから二コマ
分「SCMと流通」、「SCMと経営
戦略序章」を圧縮して講演を行った。
本稿では、その後段「SCMと経営
戦略序章」の概要を紹介する。
[ 特別レポート ]
ジョーンズラングラサール調査─ベイエリアの物流不動産賃料、前四半期比4.5%マイナス─
2009年8月号
ジョーンズラングラサールは6月、「アジア・パシフィック・プロパティ・
ダイジェスト日本版2009第1四半期」を発表した。東京の物流不動産
マーケットは景気の悪化、物量の減少を受けて、需要・賃料が大幅に
減退していることなどが明らかになった。以下、同レポートの「東京:
ロジスティクスマーケット」部分を抜粋し、紹介する。
[ データ ]
国土交通省 月例経済報告
2009年8月号
《トラック》
3月の特別積合せトラックの輸送量は、前年同月比14.0%減少(6カ月連続)、一般トラックの
輸送量は、同10.4%減少(6カ月連続)、宅配貨物取扱個数は、同1.1%増加(4カ月連続)となった。
[ CLIP ]
カハラ・ポスト・グループEMSや国際小包好調・今年は九%増益見通し
2009年8月号
日本郵便を含むアジアや欧米の世
界主要九カ国・一〇郵便事業体で
構成する「カハラ・ポスト・グルー
プ(KPG)」の全体の利益は今年、
九%増となる見通しだ。昨年の利
益は一五億ドルだった。京都市内
で開催されたKPG年次総会のた
め来日したメンバー各社の首脳が七
月八日、共同で記者会見し明らか
にした。