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2009年1月号

    2009年1月号
     
   
   

特集 物流危機を突破せよ

 14  

第1部 SCMの混乱はいくらにつくか
加ウィルフリッド・ローリエ大学 ケビン・ヘンドリックス 教授
米ジョージア工科大学 ビノッド・シンガル 教授

 サプライチェーンが混乱をきたせば、その会社の営業収入は107%減少し、株主収益率は3年間で40%低下する──北米で2005年に発表された学術論文が、その後欧米で開催されたSCM関連学会やイベントをリスク・マネジメント一色に染めるキッカケとなった。同論文を本誌が要約した。


20

 

第2部 空港閉鎖──そのとき物流担当者は
 2008年11月25日、タイのゲートウェイ、スワンナプーム空港が反政府団体に占拠された。旅客機・貨物機とも発着不能に陥った。しかし、サプライチェーンを止めるわけにはいかない。空港の閉鎖はいつまで続くのか、予断を許さない状況で、物流担当者は重い判断を迫られた。


22

 

第3部 “災害の原信”に学ぶセンター運営
 「災害対策の原信」──原信ナルスホールディングスは地盤とする新潟でそう称されていた。2004年の歴史的震災がその自信を打ち砕く。以降、ゼロベースで自社の防災を見直し、矢継ぎ早に施策を打ってきた。07年7月、成果を試すかのように再び大地震が新潟を襲った。



24  

第4部 セキュリティ規制が企業を選別
 
米国発のセキュリティ規制が世界に広がっている。セキュリティ対策とコンプライアンス(法令順守)に優れた企業を通関面で優遇する認証制度も定着してきた。その対応を誤れば、グローバル・サプライチェーンから弾き出されることにもなり兼ねない。


30   

第5部 食品トレーサビリティで差が開く
 
トレーサビリティの構築はリコールへの迅速な対応といったリスクマネジメントとしての位置付けから、世界一厳しいと言われる日本の消費者から選ばれる指標にもなりつつある。そこでは原材料の調達から生産、出荷を網羅した効率的なサプライチェーンが必須だ。先行企業の事例に学ぶ。

イオン─PBの安全コストを物流で捻出
コープこうべ─パートナーの“組織品質”に着目
マルハニチロHD─情報化より品質管理の強化を重視
日本ミルクコミュニティ─液体の生産履歴を時刻で管理


36  

第6部 欧州SCM会議⑥
米P&Gのサプライチェーン防衛策

 
米P&Gのサプライチェーン・セキュリティ(=盗難被害対策)は、ジレット買収を機に大きく転換した。高額品を扱うジレットのノウハウにP&Gは多くを学ぶことになった。一連の取り組みをFBI出身で同社グローバル・セキュリティ部門を率いるウォルター・クレメンツ副部長が解説する。


 

40

 

 

第7部 事例で学ぶ現場改善 第72回
主要荷主の物量急減を生き延びる
青木正一 日本ロジファクトリー代表
 
売り上げの7割を占める主要荷主の物量が一気に3割もダウンしてしまった。回復のメドは全く立たない。一切のタブーを設けず、コスト削減を徹底した。しかし、それだけでは足りない。先の見えない世界同時不況を生き残るために活路を開く必要があった。


 

42

 

 

第8部 事業継続計画「BCP」の作り方
宇野 修 ロジスティクスバンク 代表
 
企業のリスクマネジメントは「BCP(事業継続計画)」が、その基本となる。ところが日本では、ほとんどの物流会社がBCPを作成していない。外資系物流企業で長年にわたりリスク管理に携わってきた業界のスペシャリストが、物流事業におけるBCPの立案法とマニュアルの作り方を解説する。


 

4

 

 

KEYPERSON
「リコールはこれからも増え続ける」

川島孝夫 東京海洋大学 教授
 
リコールに適切に対応するには、原材料から最終消費に至るサプライチェーンを一元管理する仕組みが必要だ。まさしくロジスティクスが求められる。単なる効率化の手段ではなく、リスク管理の最重要機能としてロジスティクスの位置付けを改める必要がある。


     
  46  

日本ミシュランタイヤ〈3PL〉
全国64カ所のデポ運営を日梱に委託
商物分離して物流コストを20%削減


  50  

デリカフーズ〈需要予測〉
バーコードで野菜の入出荷を管理
発注の精度高め廃棄ロスを減らす


  54  

ビール大手4社〈物流共同化〉
競合メーカー同士がパレット回収で足並み
流出・不正使用が横行する流通構造にメス


  58   物流企業の値段 《第46回》
トランコム
土谷康仁 メリルリンチ日本証券 調査部

  60   物流IT解剖《第22回》
トランコム
事業部門に投資判断任せIT活用力鍛錬
求貨求車システムの自動化は志向せず

     
  75   新連載 物流指標を読む
日通総合研究所 佐藤信洋

ドライバーの賃金はもう下げられない

     

■■欧州レポート■■

  64  

海外トレンド報告【News】
欧米編・中国編



  68   湯浅和夫の物流コンサル道場 《第81回》
〜大先生の日記帳編 第16回〜

ロジスティクスを利潤源に

  74  

佐高信のメディア批評
麻生邸見学の若者3人をでっちあげ逮捕
警察発表を垂れ流すだけの〝偽装記者〟たち


  72  

奥村宏の判断学《第80回》
GMの危機にどう対処するか



  76   The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告

RFIDとバイオメトリクスを統合
タグ+指紋認証で不正使用を防ぐ

  80   物流不動産市場レポート《第19回》
福岡県・佐賀県
九州全域を対象とした配送拠点
鳥栖中心に大型施設の竣工相次ぐ

     
 

 

 

DATA BANK

 

85

 

●国土交通省 月例経済報告


     
 

 

 

CLIP BORD

 

56

 

●「航空貨物運賃は当面下がり続ける」/ユナイテッド・カーゴ スコット・ドーラン社長

 

57

 

●人材派遣大手のフジスタッフHD/運送会社向けにドライバー派遣を開始

 

84

 

●日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会/国際複合輸送士の認定証授与式開催

 

84

 

●富士物流が顧客向け物流セミナー/トヨタ生産方式とRFIDへの取り組み紹介

 
88
  主要記事索引
  92   編集後記
 
93
  広告索引

PDFバックナンバー

[ keyperson ] 川島孝夫 東京海洋大学 教授 2009年1月号
 リコールに適切に対応するには、原材料から最終消費に至る サプライチェーンを一元管理する仕組みが必要だ。まさしくロ ジスティクスが求められる。単なる効率化の手段ではなく、リ スク管理の最重要機能としてロジスティクスの位置付けを改め るる必要がある。
[ NEWS ] 海外トレンド報告 2009年1月号
米コンウェイ・フレイト 四〇拠点閉鎖し数千万ドル削減 ■同社プレスリリース  11 ・3など  米国のコンウェイ傘下の特別積み 合わせ業者コンウェイ・フレイトは、 路線事業のリストラ策として全拠点 の一割に当たる四〇カ所の拠点を閉 鎖する。これにより、年間三〇〇 〇万〜四〇〇〇万ドル(二七億九〇 〇〇万〜三七億二〇〇〇万円)のコ ストを削減する計画だ。また、大都 市内の夜間配送網も縮小する。リス トラ後の北米の配送網は、三〇三カ 所のデポと七〇カ所のクロスドッキ ング・センターに縮小される。
[ NEWS ] 海外トレンド報告(中国編) 2009年1月号
中国の社会物流総額 〇八年一〜九月は二〇%増 ■ 11 ・5  二〇〇八年第1〜3四半期(一〜 九月期)の社会物流総額は、前年 同期比二〇%増の六八兆人民元(八 八四兆円)となった。
[ SOLE ] RFIDとバイオメトリクスを統合タグ+指紋認証で不正使用を防ぐ 2009年1月号
 十一月度のフォーラムでは、サッ トンイーストの中井利光代表に「R FIDの動向とバイオメトリクスと の統合システム」をテーマにご講演 いただいた。安全で便利なネットワ ークシステムの実現には「物品」の 識別だけでなく、ネットワークにア クセスする「人」を認証する仕組み が必要だ。それぞれ別個に発展し てきたRFID(Radio Frequency IDentification)とバイオメトリクス (生体認証)の統合が、課題の解決 に有効な技術となる。(SOLE日 本支部・瀬良光弘幹事)
[ CLIP ] 「航空貨物運賃は当面下がり続ける」ユナイテッド・カーゴ スコット・ドーラン社長 2009年1月号
 二〇〇八年十二月に来日したユナ イテッド航空の貨物部門、ユナイテッ ド・カーゴのスコット・ドーラン社長 に、国際航空貨物市場の見通しと同 社の事業戦略について尋ねた。
[ CLIP ] 人材派遣大手のフジスタッフHD運送会社向けにドライバー派遣を開始 2009年1月号
人材派遣大手のフジスタッフホー ルディングスグループで製造業を中心 に人材派遣、請負を行うアイライン は、二〇〇八年十一月、運送会社向 けにドライバー派遣を開始した。同十 二月に千葉、埼玉、神奈川にドライ バー事業部を設置。首都圏を中心に 営業を行い、三年後には売上高一〇 億円を目指す。
[ CLIP ] 日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会国際複合輸送士の認定証授与式開催 2009年1月号
 日本インターナショナルフレイトフ ォワーダーズ協会(JIFFA)は二 〇〇八年十二月十一日、都内で〇八 年度「国際複合輸送士資格認定講座 (東京開催)」の認定証授与式を開催 した。認定試験の成績優秀者五人とJ IFFAの中谷桂一会長(写真前列 左から三人目)、同教育委員などが出 席した。
[ ケース ] 3PL 日本ミシュランタイヤ 2009年1月号
全国64カ所のデポ運営を日梱に委託 商物分離して物流コストを20 %削減
[ ケース ] 需要予測 デリカフーズ 2009年1月号
バーコードで野菜の入出荷を管理 発注の精度高め廃棄ロスを減らす
[ ケース ] 物流共同化 ビール大手4社 2009年1月号
競合メーカー同士がパレット回収で足並み 流出・不正使用が横行する流通構造にメス
[ データ ] 国土交通省 月例経済報告 2009年1月号
概要はありません
[ メディア批評 ] 麻生邸見学の若者三人をでっちあげ逮捕警察発表を垂れ流すだけの?偽装記者?たち 2009年1月号
 六二億円といわれる麻生太郎の豪邸を見に 行こうと渋谷の路上を歩いていて、突然三人 が逮捕された事件について、『朝日』を含む新 聞やテレビは警察発表をそのまま流した。渋 谷警察署とも話し合い、ただ歩いていたら、 警察がいきなり襲いかかったのに、「無届デモ」 をし、「再三の警告」を無視して、「警官に暴 力をふるった」と報じたのである。
[ 値段 ] トランコム 2009年1月号
 今期からスタートした三カ年の中期経営計 画で、強気な利益目標と投資計画、株主還 元を打ち出し、株式市場から評価を得ている。 財務体質も健全だ。景気後退による経営環境 の悪化という懸念はあるが、こうした局面を ビジネスチャンスと捉え、3PLのシェア拡 大に注力すべきだろう。
[ 道場 ] ロジスティクスを利潤源に 2009年1月号
 ロジスティクスは企業にとって利益の源泉だ。ところ が、物流部門の多くは本来の役割を果たせずに、現場の 運営管理に終始している。立派な物流センターを持つよ うになったことが、不幸にも本質を見失わせてしまった。 社内の意識改革を促して本来の姿を取り戻せ。
[ 判断学 ] GMの危機にどう対処するか 2009年1月号
 1950 年代、当時のGM 会長は「GM にとって良いことはアメリカにとっても良 いことである」と豪語した。実際GMは政府と一体となってアメリカを支配してきた。 その凋落は何を示しているのだろうか。
[ 物流IT解剖 ] トランコム 2009年1月号
 電話と人手による求車求貨事業が急成長。インターネットを 使ってマッチング作業の自動化を目指したライバルのITベンチャ ーを退けた。今もIT活用の主眼を人の活動を支援することに置 く。システム部門は2000年に完全分社化し、各事業部門に投資 判断を任せることでIT活用スキルの底上げを図っている。
[ 物流指標を読む ] ドライバーの賃金はもう下げられない 2009年1月号
国土交通省自動車交通局貨物課は二〇〇八 年九月に「輸送の安全向上のための優良な労 働力(トラックドライバー)確保対策の検討 報告書」を公表した。そのなかで、二〇一五 年度におけるトラックドライバーの需要量およ び供給量を予測している。一般に、こうした 将来の労働力を予測する場合、供給量のみを 予測するケースが多いが、本調査では、供給 面のみならず、将来貨物輸送量から必要ドラ イバー数(=需要量)の予測を行っているの が特徴だ。
[ 物流不動産市場レポート ] 福岡県・佐賀県九州全域を対象とした配送拠点鳥栖中心に大型施設の竣工相次ぐ 2009年1月号
倉庫着工面積は〇六年以降再び増加  福岡県は福岡市と北九州市の二つの政令指 定都市を持つ、九州地方で最も人口の多い県 だ。北九州を中心に自動車関連企業の集積が 進んでおり、新北九州空港では羽田空港間に 加え、関西国際空港間の貨物便が運航してい る。
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ SCMの混乱はいくらにつくか 2009年1月号
サプライチェーンが混乱をきたせば、その会社の営業収 入は107 %減少し、株主収益率は3年間で40 %低下する─ ─北米で2005年に発表された学術論文が、その後欧米で開 催されたSCM関連学会やイベントをリスク・マネジメント 一色に染めるキッカケとなった。同論文を本誌が要約した。
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ 空港閉鎖─そのとき物流担当者は 2009年1月号
 2008年11月25日、タイのゲートウェイ、スワンナプ ーム空港が反政府団体に占拠された。旅客機・貨物機 とも発着不能に陥った。しかし、サプライチェーンを止 めるわけにはいかない。空港の閉鎖はいつまで続くの か、予断を許さない状況で、物流担当者は重い判断を 迫られた。  
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ “災害の原信”に学ぶセンター運営 2009年1月号
 「災害対策の原信」──原信ナルスホールディング スは地盤とする新潟でそう称されていた。2004年の 歴史的震災がその自信を打ち砕く。以降、ゼロベース で自社の防災を見直し、矢継ぎ早に施策を打ってき た。07年7月、成果を試すかのように再び大地震が新 潟を襲った。
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ セキュリティ規制が企業を選別 2009年1月号
米国発のセキュリティ規制が世界に広がっている。セ キュリティ対策とコンプライアンス(法令順守)に優れた 企業を通関面で優遇する認証制度も定着してきた。その 対応を誤れば、グローバル・サプライチェーンから弾き出 されることにもなり兼ねない。 
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ 食品トレーサビリティで差が開く 2009年1月号
トレーサビリティの構築はリコールへの迅速な対応といった リスクマネジメントとしての位置付けから、世界一厳しいと言 われる日本の消費者から選ばれる指標にもなりつつある。そこ では原材料の調達から生産、出荷を網羅した効率的なサプライ チェーンが必須だ。先行企業の事例に学ぶ。 
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ 米P&Gのサプライチェーン防衛策 2009年1月号
米P&Gのサプライチェーン・セキュリティ(=盗難被害対策) は、ジレット買収を機に大きく転換した。高額品を扱うジレッ トのノウハウにP&Gは多くを学ぶことになった。一連の取り 組みをFBI出身で同社グローバル・セキュリティ部門を率いる ウォルター・クレメンツ副部長が解説する。
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ 主要荷主の物量急減を生き延びる 2009年1月号
 売り上げの7割を占める主要荷主の物量が一気に3 割もダウンしてしまった。回復のメドは全く立たない。 一切のタブーを設けず、コスト削減を徹底した。しか し、それだけでは足りない。先の見えない世界同時 不況を生き残るために活路を開く必要があった。
[ 特集 ] 物流機器を突破せよ 事業継続計画「BCP」の作り方 2009年1月号
企業のリスクマネジメントは「BCP(事業継続計画)」 が、その基本となる。ところが日本では、ほとんどの 物流会社がBCPを作成していない。外資系物流企業で 長年にわたりリスク管理に携わってきた業界のスペシャ リストが、物流事業におけるBCPの立案法とマニュアル の作り方を解説する。
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