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2010年9月号 |
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特集
3PL白書
2010
物流アウトソーシングを再検証
3PL市場が踊り場を迎えている。10年続いた市場規模拡大がストップ。物量の減少で採算も悪化している。一方、荷主企業は改めて物流体制の見直しを迫られている。3PLの導入は果たして正解だったのか。物流アウトソーシングの再検証が始まっている。
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【解説】競争要因は「提案力」から「現場力」へ
■市場規模──微減でも物流市場シェアは拡大
■収益性──物量の減少で二極化が明らかに
■倉庫──ファンド物件の大量供給で借庫が増加
■輸送──供給過剰が続き傭車比率はさらに拡大
■現場労働力──約7割が直接雇用スタッフをメーンに
■国際化──中国・東南アジアへのシフトが鮮明に
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【資料】国内有力3PL企業ガイド2010
主要48社の最新事業概要と業務領域
国内有力3PL企業ガイドINDEX
日立物流/日本通運/センコー/キユーソー流通システム/ヤマトホールディングス/三井物産/SGホールディングス/近鉄エクスプレス/ニチレイロジグループ/山九/ハマキョウレックス/セイノーホールディングス/トナミ運輸/鈴与/三菱商事ロジスティクス/住友商事/日本梱包運輸倉庫/トランコム/安田倉庫/第一貨物/三洋電機ロジスティクス/NECロジスティクス/日本ロジテム/名糖運輸/富士物流/丸全昭和運輸/バンテック/三井倉庫/エヌ・ティ・ティ・ロジスコ/日本トランスシティ/新開トランスポートシステムズ/三菱化学物流/伊藤忠ロジスティクス/商船三井ロジスティクス/富士ロジテック/キリン物流/丸協運輸/日新/遠州トラック/アサヒロジ/南日本運輸倉庫/アサガミ/NYKロジスティックスジャパン/JFE物流/名港海運/東海運/安川ロジテック/AITソリューションズ
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【Interview】 日立物流 長谷川伸也 執行役専務
「これからは取扱規模がものを言う」
国内の既存荷主の物量減少はリーマンショック前から始まっていた。この傾向は今後も続く。物量が減っても効率を維持できる3PLだけが生き残る。各エリアにおける取扱規模がそのカギを握っている。3PL市場は淘汰の時代に入った。
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【Interview】 ハマキョウレックス 大須賀秀徳 社長
「アセットも人材も自前主義を進める」
世間の不景気をよそに3PL事業は順調に拡大。2004年に買収した路線会社の近物レックスもようやく黒字化した。現場感覚を備えた中堅人材の育成も進んでいる。倉庫、輸送、人材のリソースを全てグループ内で所有するアセット型への志向をいっそう強めている。
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【Interview】 NTTロジスコ 中川雅行 社長
「勝てるコスト構造を作り上げた」
売上高を現在の倍以上の1000億円に拡大するという目標を掲げている。従来の延長線上に将来はないことを社内に通告し、仕事のやり方から発想法まで抜本的に改めた。グループのICT事業で培ったアウトソーシングのノウハウを物流事業に移植することで差別化を図り、新規案件を獲得している。
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【解説】3PL導入で失った能力を取り戻す
費用の妥当性やサービスレベルを評価できないために、いたずらにコンペを繰り返す荷主が増えている。3PLとの役割分担が曖昧で、経営に必要な機能が失われているケースも珍しくない。安易なアウトソーシングが荷主企業の管理能力を弱体化させている。
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「プロは兵站を語り、素人は戦略を語る」
石津朋之 防衛省 防衛研究所 戦史部第一戦史研究室長
古来から戦争のあり方は「戦略」よりも「補給の限界」によって規定されてきた。近代の技術力の発展は軍隊の補給能力を飛躍的に向上させた。しかし、国家の正規軍同士の戦争を前提とした従来のロジスティクスは今日効力を失いつつある。対テロ戦争に適応した新しいロジスティクスが模索されている。
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エステー〈需給調整〉
当たらない需要予測に見切りをつけ
IT使った生販会議の効率化に注力
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パルシステム生活協同組合連合会〈定温物流〉
鮮度アップ狙い4温度帯管理を実現
青果物の収穫から配達までを1日短縮
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アジリティ〈M&A〉
クウェート国営倉庫会社が民営化で急拡大
米軍向け業務の水増し請求疑惑で窮地に
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物流企業の値段《第61回》
國枝 哲 みずほ証券 エクイティ調査部 運輸セクター シニアアナリスト
日立物流
3PLを牽引役に収益拡大基調に戻る
海外企業のM&Aで国際物流にも本腰
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【特別レポート】帝国データバンク
港湾運送会社365社実態調査
帝国データバンクは8月9日、「港湾運送会社365社実態調査」を発表した。港湾運送業界を対象とした市場調査は珍しい。同調査からは、変化に乏しい業界の実態が窺える。しかし、政府が集中的に投資を行う「国際コンテナ戦略港湾」などの指定から外れた港では、今後企業の淘汰・再編が起こる可能性もあるという。調査担当者へのヒアリングに基づき、同レポートを加筆・再編集して掲載する。
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海外トレンド報告【News】
《欧米編》米YRCが第2四半期業績予想を上方修正
《中国編》高速道路建設の上半期投資額が1.4倍
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日本型SCMが次世代を拓く《第4回》
SCM部門の進化はどこまで来たか
アビームコンサルティング 経営戦略研究センター 梶田ひかる
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事例で学ぶ現場改善《第92回》
日本ロジファクトリー 青木正一 代表
化学品商社Z社の最適化プロジェクト
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第101回》 〜メーカー物流編
第12回〜 「在庫アナリストの連中は、もちろん生産量の決定に関与しています。というか、アナリストの言うとおりに生産しているんです」
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奥村宏の判断学《第100回》
混迷状態に陥っている財界
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佐高信のメディア批評
木村剛をコメンテーターに起用した「報ステ」
逮捕にも古舘伊知郎はまったく反省の色なし
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The International
Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告 JITを超えたトヨタの次世代経営
日本的生産方式の進化モデルに学ぶ
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物流指標を読む《第21回》
日通総合研究所 佐藤信洋
荷動きは景気の先行きを物語る
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ARC
Advisory Group レポート SCM市場を強く牽引するSaaS
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物流不動産市場レポート《特別編》
3大都市圏【2010年上半期】
物流施設マーケット動向分析
シービー・リチャードエリス総合研究所 鈴木公二 シニアコンサルタント
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DATA BANK
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●国土交通省 月例経済報告
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主要記事索引 |
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102 |
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編集後記 |
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103 |
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広告索引 |
[ 特集 ]
特集 3PL白書 2010物流アウトソーシングを再検証
2010年9月号
3PL市場が踊り場を迎えている。10 年続いた市場規模
拡大がストップ。物量の減少で採算も悪化している。一方、
荷主企業は改めて物流体制の見直しを迫られている。3PL
の導入は果たして正解だったのか。物流アウトソーシングの
再検証が始まっている。
[ 特集 ]
解説 3PLの競争要因は「提案力」から「現場力」へ
2010年9月号
市場規模──微減でも物流市場シェアは拡大
[ 特集 ]
資料 国内有力3PL企業ガイド2010主要48 社の最新事業概要と業務領域
2010年9月号
国内主要物流企業の3PL事業の売上高や組織体制、ビジネスモデルなどの情報を、17
ページのランキング表および22〜37ページのガイドに掲載した。「3PL」の定義や3PL 売
上高の算出方法は各社により異なり、データは基本的に自己申告に基づく。一部、本誌
がヒアリングと各種調査から推定および説明を加えたものも含まれている。その場合には
「本誌推定」と明記した。
ガイドで各社の社名と並べて白抜きで表示した「3PL事業売上高」は、千万円単位を
四捨五入したもの。詳しくは各社の「3PL事業売上高の推移」を参照。「連結売上高」も
同様に、千万円単位を四捨五入している。
[ 特集 ]
Interview 「これからは取扱規模がものを言う」日立物流 長谷川伸也 執行役専務
2010年9月号
国内の既存荷主の物量減少はリーマンショック前か
ら始まっていた。この傾向は今後も続く。物量が減っ
ても効率を維持できる3PLだけが生き残る。各エリア
における取扱規模がそのカギを握っている。3PL市場
は淘汰の時代に入った。
[ 特集 ]
Interview 「アセットも人材も自前主義を進める」ハマキョウレックス 大須賀秀徳 社長
2010年9月号
世間の不景気をよそに3PL事業は順調に拡大。2004
年に買収した路線会社の近物レックスもようやく黒字
化した。現場感覚を備えた中堅人材の育成も進んでい
る。倉庫、輸送、人材のリソースを全てグループ内で
所有するアセット型への志向をいっそう強めている。
[ 特集 ]
Interview 「勝てるコスト構造を作り上げた」NTTロジスコ 中川雅行 社長
2010年9月号
売上高を現在の倍以上の1000億円に拡大するという目標を
掲げている。従来の延長線上に将来はないことを社内に通告
し、仕事のやり方から発想法まで抜本的に改めた。グループ
のICT事業で培ったアウトソーシングのノウハウを物流事業に
移植することで差別化を図り、新規案件を獲得している。
[ 特集 ]
解説 3PL導入で失った管理能力を取り戻す
2010年9月号
費用の妥当性やサービスレベルを評価できないため
に、いたずらにコンペを繰り返す荷主が増えている。
3PLとの役割分担が曖昧で、経営に必要な機能が失わ
れているケースも珍しくない。安易なアウトソーシング
が荷主企業の管理能力を弱体化させている。
[ keyperson ]
「プロは兵站を語り、素人は戦略を語る」石津朋之防衛省 防衛研究所 戦史部第一戦史研究室長
2010年9月号
古来から戦争のあり方は「戦略」よりも「補給の限界」によって
規定されてきた。近代の技術力の発展は軍隊の補給能力を飛躍的に
向上させた。しかし、国家の正規軍同士の戦争を前提とした従来の
ロジスティクスは今日効力を失いつつある。対テロ戦争に適応した
新しいロジスティクスが模索されている。
[ ケース ]
エステー 需給調整
2010年9月号
当たらない需要予測に見切りをつけ
IT使った生販会議の効率化に注力
[ ケース ]
パルシステム生活協同組合連合会 定温物流
2010年9月号
鮮度アップ狙い4温度帯管理を実現
青果物の収穫から配達までを1日短縮
[ ケース ]
アジリティ M&A
2010年9月号
クウェート国営倉庫会社が民営化で急拡大
米軍向け業務の水増し請求疑惑で窮地に
[ 値段 ]
第61回 日立物流
2010年9月号
3PLを牽引役に収益拡大基調に戻る
海外企業のM&Aで国際物流にも本腰
[ 特別レポート ]
港湾運送会社三六五社実態調査帝国データバンク
2010年9月号
帝国データバンクは八月九日、「港湾運送会社三六五社実態調査」を
発表した。港湾運送業界を対象とした市場調査は珍しい。同調査から
は、変化に乏しい業界の実態が窺える。しかし、政府が集中的に投資を
行う「国際コンテナ戦略港湾」などの指定から外れた港では、今後企業
の淘汰・再編が起こる可能性もあるという。調査担当者へのヒアリング
に基づき、同レポートを加筆・再編集して掲載する。
[ NEWS ]
欧米編
2010年9月号
UPSは、川崎重工業の米国法人
から、同社のエンジン部門とパワープ
ラント部門の部品の物流業務を受注
した。業務開始は八月以降の予定。
[ NEWS ]
中国編
2010年9月号
福建省の沿海港湾の一〜六月のコ
ンテナ取扱量は、四〇九万七〇〇〇
TEUとなった。前年同期に比べ二
五・六%増と、大幅な伸びをみせた。
そのうち、厦門港のコンテナ取扱量
は二八・三%増の二七三万七六〇〇
TEU、福州港のコンテナ取扱量は
二七・八%増の七一万一〇〇〇T
EUだった。
[ グローバルSCM ]
第4回 SCM部門の進化はどこまで来たか
2010年9月号
日本の一般消費財メーカーのSCM部門は、
当初は物流管理部門に需給調整機能を持たせ
るかたちで組織された。「ロジスティクス部」
の誕生だ。その後「SCM部」、さらに「S
CM本部」に名称が変わり、組織が格上げさ
れていくのに伴って、その管轄領域は調達や
生産管理にまで広がっている。
[ 現場改善 ]
第92回 化学品商社Z社の最適化プロジェクト
2010年9月号
買収を重ね、規模を拡大することで中間流通の再編を生き抜
いてきた。しかし物流の統合が後回しになっていた。各拠点で
それぞれに日々の運営を処理しているだけで、物流管理に責任
を持つ部署はなく、専門知識を持った人材もいなかった。経営
者は強い危機感を持って「物流最適化」に乗り出した。
[ 道場 ]
メーカー物流編 ♦ 第12回 「在庫アナリストの連中は、もちろん生産量の決定に関与しています。というか、アナリストの言うとおりに生産しているんです」
2010年9月号
ロジスティクス先進企業として名高
い某メーカーでは、出荷データの分析
結果を営業部門や生産部門に提供する
「在庫アナリスト」が活躍している。市
場の動きと日々向き合っている物流現
場には、貴重なビジネス情報が手付か
ずのまま眠っている。それを在庫アナ
リストが、利益を生む宝に変える。
[ 判断学 ]
第100回 混迷状態に陥っている財界
2010年9月号
日本経団連が混迷状態に陥っている。かつては首相を決めるほどの影響力
を誇っていた組織が、1955年体制の崩壊によって、現在は政治に翻弄され
るだけの存在になり下がっている。
[ メディア批評 ]
木村剛をコメンテーターに起用した「報ステ」逮捕にも古舘伊知郎はまったく反省の色なし
2010年9月号
八月一○日付の『日刊ゲンダイ』が、「報
道ステーション」の古舘伊知郎がクビになる
のではないかと報じている。
[ SOLE ]
JITを超えたトヨタの次世代経営日本的生産方式の進化モデルに学ぶ
2010年9月号
SOLE日本支部七月のフォーラ
ムでは、青山学院大学理工学部の天
坂格郎教授をお招きして「JITを
超えて│日本的生産方式の進化」と
いうタイトルでご講演いただいた。天
坂教授はトヨタ自動車で生産部門やT
QM推進部門などの職務に従事され、
長年の経験から生み出された次世代
の経営技術?New JIT〞を提唱さ
れている。トヨタ自動車がグローバル
化するためのカギとなった、この新し
い経営技術についてお話を伺った。
(SOLE日本支部・小宮享)
[ 物流指標を読む ]
第21回 荷動きは景気の先行きを物語る日通総合研究所「企業物流短期動向調査」
2010年9月号
●在庫圧縮が進み、出荷量の動向が景気変動と密接に
●荷動き指数は、業種によって先行指標的な役割も
●過去には07年11月以降の景気後退に警鐘の実績
[ ARC ]
サプライチェーン管理市場を強く牽引するSaaS
2010年9月号
二〇〇五年以降、SCM( Supply Chain
Management :サプライチェーン管理)市場
は、年平均成長率(CAGR)七%で成長
を続けてきた。〇八年に影響が出始め、〇九
年に最高潮となったグローバル不況がもしな
ければ、その成長率はもっと高いものとなっ
ていただろう。しかしSaaSベースのSC
Mソリューションに限れば、同期間の伸びは
二〇%の年平均成長率で成長した。
[ 物流不動産市場レポート ]
特別編 二〇一〇年上半期三大都市圏物流施設マーケット動向分析シービー・リチャードエリス総合研究所 鈴木公二 シニアコンサルタント
2010年9月号
シービー・リチャードエリスは七月三〇日、「インダストリアルマーケッ
トレポート」(二〇一〇年上半期)を発表した。国内主要都市における
三七六三棟の倉庫施設を対象に、市況動向を調査・分析したものだ。ここ
では物流主要エリアである首都圏、近畿圏、中部圏の需給動向を紹介する。
各エリアとも、本格的なマーケット活性化までは時間がかかりそうだ。
[ データ ]
国土交通省 月例経済報告
2010年9月号
トラック輸送情報(特別積合せトラック大手27社、一般(特別積合せを除く)トラック調査対象事業者数
約1,100社及び宅配貨物取扱大手19社)
ただし、特別積合せトラックの調査対象事業者は、20年3月以前は32社、20年4月〜21年3月は26社、
21年4月以降は27社となっており、前年同月比は26社との比較である。また、宅配貨物取扱事業者は、
17年1月以前は20社、17年2月〜20年3月は19社、20年4月以降は19社であり、月次の前年同月
比は、当該月の事業者数に遡及して前年同月の遡及比較を算出していない。前年同月比は、トラック
輸送情報を参照のこと。