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2008年10月号 |
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特集
共同物流入門
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解説 成功と失敗を分けるもの
物流共同化の取り組みは大部分が失敗に終わっている。ロットのまとまらない荷物は一緒に運べば効率がいい。環境にも優しい。誰もが総論では賛成しても実施に移す段階では足並みが崩れる。共同化を単なるコスト削減策としてではなく、ロジスティクスの革新として位置付ける必要がある。
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16
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第1部 同業種メーカー共配の限界
メーカー主導型の同業種共配が活発化している。環境問題の高まりと燃料費の高騰が取り組みを後押ししている。しかし、熾烈なシェア争いを繰り広げるライバルメーカー同士が有効な協力関係を築くことは容易ではない。過去を振り返っても、その成功率は低い。
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20
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第2部 卸連合で業界再編を生き抜く
多くの業界で中間流通の再編と寡占化が急速に進んでいる。独立を選んだ卸売業者は同業他社とのアライアンスに生き残りをかけている。そこでは単なる共配を超え、法人格の異なる企業とのロジスティクス全域にわたる共同化が実施に移されている。
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第3部 物流子会社共配の進め方
親会社の物流インフラをベースに、同業他社の荷物を取り込んで外販を拡大し、事業収入を得て親会社の連結決算に貢献する。インフラ稼働率を上げることで物流コストを削減し、親会社、外部荷主、物流子会社ともにWIN-WINの関係を築く。そんな青写真を描く物流子会社は多いが、うまくいっているケースは稀だ。物流子会社が主導する共同配送成功のカギをキユーソー流通システムに学ぶ。
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26 |
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第4部 運輸業主導型の算盤勘定
物流専業者が主導する共同配送は、メーカー同士や物流子会社主導の共配と比べ、荷主の反発は少ない。ただし、運用に対する協力が得にくい上、核となるベースカーゴを確保する必要もある。価格競争も熾烈だ。利益を上げるのは容易ではない。事業性のカギはやはり人材が握っている。
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30
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第5部 事例で学ぶ現場改善
《第69回》
中小運送会社の共配事業戦略
青木正一 日本ロジファクトリー 代表
年商10億円以下の地方の零細運送会社の命運は、共配にかかっている。大手荷主や大手運送会社が車両を満載にできない小さな商圏でも、地域に密着した地場運送会社であればカバーできる。そこでは自然発生的な共配が機能している。
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第6部 コラボレーションの最前線
楢村文信 P&Gジャパン 営業統轄本部
メーカーと小売業が向こう3年間の市場見通しと経営目標まで共有する究極のコラボレーションが、欧米市場で試みられている。「JAG(Jointly
Agreed Growth)」と呼ばれる。取引先を巻き込んだSCMの取り組みが、ロジスティクスの効率化によるコスト削減を経て、売り上げと利益の最大化にその目標を移している。
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4
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KEYPERSON
「主導権は運輸業者に移っている」
中田信哉 神奈川大学 経済学部 教授
共同化は日本特有の物流課題だ。欧米では混載システムやクロスドッキングが運輸業者のサービス商品として発達したため、荷主が自分で共同化に乗り出す必要がなかった。日本は当初行政が共同化を主導し、運輸業に対する規制もあったことからサービス商品の開発が遅れてしまった。
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物流IT解剖《第19回》
日本梱包運輸倉庫
IT投資比率0.3%・専任部隊17人
徹底したローコスト運営で収益支える
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サンアロマー〈3PL〉
システム開発から物流企画まで山九に外注
成果配分を徹底し年間5億円のコスト削減
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カルビー〈在庫管理〉
鮮度を重視し域内完結型需給体制を整備
商品の多様化で統合管理が新たな課題に
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物流企業の値段
《第43回》
三井倉庫
大和総研 企業調査第一部 一柳 創
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■■欧州レポート■■
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海外トレンド報告【Report】
欧州SCM会議(3) サプライチェーンの危機管理
アイルランド C&Cグループ
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海外トレンド報告【News】
欧米編・中国編
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第78回》
〜大先生の日記帳編 第13回〜 3PLルネッサンス
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佐高信のメディア批評
“辛口”コメントを裏から支える気骨と度胸
出演・執筆者を体を張って護るマスコミ人
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奥村宏の判断学《第77回》
新聞社がおかしくなっている
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The International
Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告 原子力発電所の保全業務モデル(2)
作業指示書を軸とした保全作業管理
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物流不動産市場レポート《第16回》
大阪府
湾岸部に供給集中するも需要は堅調
内陸部は大型施設に品薄感みられる
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DATA BANK
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●国土交通省 月例経済報告
●軽油価格の影響と運賃転嫁に関する調査(平成20年7月調査結果) 全日本トラック協会
●NECシステムテクノロジー発表「物流や配送、物流システム(TMS)に関する報告書」
●トラックドライバーの需給予測 国土交通省自動車交通局貨物課
「輸送の安全向上のための優良な労働力(トラックドライバー)確保対策の検討報告書」 (平成20年9月)より抜粋
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CLIP BORD
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●新技術で処理能力を従来比約6倍に向上/ダイフク・ケース自動倉庫「DUOSYS」
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●全ト協が2万人動員し全国一斉活動/「事業をたたむしかない」と窮状訴え
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主要記事索引 |
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編集後記 |
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広告索引 |
[ keyperson ]
中田信哉 神奈川大学 経済学部 教授
2008年10月号
共同化は日本特有の物流課題だ。欧米では混載システムやクロ
スドッキングが運輸業者のサービス商品として発達したため、荷
主が自分で共同化に乗り出す必要がなかった。日本は当初行政が
共同化を主導し、運輸業に対する規制もあったことからサービス
商品の開発が遅れてしまった。
[ NEWS ]
海外トレンド報告
2008年10月号
米CHロビンソン
カナダのフォワーダー買収
■同社プレスリリース 8・4
米国の3PL大手CHロビンソ
ン・ワールドワイドは、トランセラ・
インターナショナル・ホールディング
ス( Transera:本社=カナダ・カル
ガリー)が所有するフォワーディン
グ会社を買収した。買収金額は公表
していない。
トランセラは一九八五年創業の
未上場企業。直近の売上高は一億
二五〇〇万ドル(一三六億二五〇
〇万円)、従業員は一〇七人。カナ
ダ国内のほか、ドバイ、シンガポー
ル、米国などに八カ所の拠点を構え
る。石油産業やガス産業などを中心
に多くの荷主を抱えているという。
[ NEWS ]
海外トレンド報告(中国編)
2008年10月号
「全国民用空港配置計画」発表
二〇年までに空港数二四四に増加
■8・7
「全国民用空港配置計画」が中国
国務院の認可を受け、正式に公布さ
れた。二〇二〇年までに民用空港
九七空港が新設され、民用空港数
は二四四空港に達する。これによっ
て、人口の八割を最寄りの空港から
一〇〇キロメートル以内の範囲でカ
バーする。
なかでも安徽省には九華山、蚌
埠、蕪湖、海南省には東方、五指山、
博鰲にそれぞれ建設する計画。
[ SOLE ]
作業指示書を軸とした保全作業管理
2008年10月号
前回に続き、RAMS( Reliabi
lity, Availability, Maintainability
and Supportability)研究会の研究
成果「原子力発電所の保全業務モ
デル」を報告する。
米国の原子力産業は、標準原子
力パフォーマンスモデル(SNPM
:Standard Nuclear Performance
Model)を原動力の一つにして復活
した。SNPMの中核は前回報告
した「信頼性管理」と「保全作業
管理」だ。今回は保全作業管理に
焦点を当て、プラント保全一般で使
われる管理手法とSNPMへの展
開を紹介する。
[ CLIP ]
新技術で処理能力を従来比約六倍に向上ダイフク・ケース自動倉庫「DUOSYS」
2008年10月号
マテハン大手のダイフクはこのほ
ど、高能力ケース自動倉庫「DUO
SYS(デュオシス)」を開発した。
九月九日〜十二日に開催された「国
際物流総合展二〇〇八」への出展後、
販売を開始した。
[ CLIP ]
全ト協が二万人動員し全国一斉活動「事業をたたむしかない」と窮状訴え
2008年10月号
全日本トラック協会(全ト協)は
八月二六日、「燃料価格高騰による
経営危機突破全国一斉行動」を行っ
た。三一都道府県で決起大会やデモ
行進を実施。二万人が参加し、トラ
ック業者の経営危機をアピールすると
ともに、燃料サーチャージの導入によ
る適正運賃確保、高速道路料金の引
き下げ、税負担の軽減などを求めた。
[ ケース ]
3PL サンアロマー
2008年10月号
システム開発から物流企画まで山九に外注
成果配分を徹底し年間5億円のコスト削減
[ ケース ]
在庫管理 カルビー
2008年10月号
鮮度を重視し域内完結型需給体制を整備
商品の多様化で統合管理が新たな課題に
[ データ ]
国土交通省 月例経済報告
2008年10月号
概要はありません
[ メディア批評 ]
?辛口?コメントを裏から支える気骨と度胸出演・執筆者を体を張って護るマスコミ人
2008年10月号
もう一〇年以上前のことになるのか、『夕刊
フジ』のコラムに「イニシャルにすると、奇し
くも同じO
オー
さんとなる二人が、私にとって忘
れがたい人である」と書いたことがある。
一人は、当時、某テレビのプロデューサーだ
った。その後、現場を離れて局長職に就いたが、
この人が私をある人気番組のコメンテーターに
した。
[ 海外Report ]
サプライチェーンの危機管理
2008年10月号
アイルランド最大のリンゴ酒メーカーであるC&Cグループは、数年前から
全社を挙げて危機管理体制の整備に取り組んできた。危機管理の要諦は三つ
ある、と同社はいう。一つはサプライチェーン上で想定される危機をすべて列
挙して、そこに優先順位をつけること。二つ目はマニュアルとなる詳細な危
機管理綱領を作ること。そして最後に、定期的に危機を想定した訓練を行う
ことだ。
[ 値段 ]
三井倉庫
2008年10月号
設備投資の積極化に転じ、資本効率を重視
する姿勢が評価されている。物流事業ではB
PO(ビジネス・プロセス・アウトソーシン
グ)といった特徴的なサービスを展開するが、
今後の成長には同事業の規模拡大と収益性向
上が不可欠だ。
[ 道場 ]
3PL ルネッサンス
2008年10月号
荷主に代わってプロが物流を組み立てる時代がやっ
てきた。これまでの常識や慣習を否定し、物流のある
べき姿を追い求めるプロフェッショナルたちの手によっ
て、トラックの使い方から拠点の配置まで、ロジスティ
クスの仕組みが一変しようとしている。“3PL ルネッ
サンス”が始まっている。
[ 判断学 ]
新聞社がおかしくなっている
2008年10月号
日本の新聞が「不偏不党」の看板を下ろす日が迫っている。言論の自由という
大義名分の下、各社は「日刊新聞特例法」によって株式買い占めの脅威から護ら
れてきた。しかし部数と広告収入の減少で経営危機に直面、乗っ取りの危険が生
じる株式の相互持合いに踏み込むところも現れた。
[ 物流IT解剖 ]
日本梱包運輸倉庫
2008年10月号
最大荷主であるホンダの国内物流を幅広く担い、二輪車の輸配送では
高い国内シェアを持つ。新車から中古車まで扱える実力を生かして共同
物流事業も主導している。これらの事業を支えるITインフラを自前主義
と徹底したローコスト体制で開発・運営してきた。単体売上高に占める
IT予算はわずか0.3 %。IT部門は17人という小部隊だ。
[ 物流不動産市場レポート ]
大阪府湾岸部に供給集中するも需要は堅調内陸部は大型施設に品薄感みられる
2008年10月号
着工面積は四〇万平米前後で推移
大阪府は八五〇万を超える人口を擁する、
関西圏を代表する巨大消費地だ。製造業が集
積しているため、付随するかたちで物流施設
の需要が多く、湾岸部を中心に多数の施設が
集中している。
[ 特集 ]
共同物流入門 成功と失敗を分けるもの
2008年10月号
物流共同化の取り組みは大部分が失敗に終わってい
る。ロットのまとまらない荷物は一緒に運べば効率がい
い。環境にも優しい。誰もが総論では賛成しても実施
に移す段階では足並みが崩れる。共同化を単なるコスト
削減策としてではなく、ロジスティクスの革新として位
置付ける必要がある。
[ 特集 ]
共同物流入門 同業種メーカー共配の限界
2008年10月号
メーカー主導型の同業種共配が活発化している。環
境問題の高まりと燃料費の高騰が取り組みを後押しし
ている。しかし、熾烈なシェア争いを繰り広げるライバ
ルメーカー同士が有効な協力関係を築くことは容易で
はない。過去を振り返っても、その成功率は低い。
[ 特集 ]
共同物流入門 卸連合で業界再編を生き残る
2008年10月号
多くの業界で中間流通の再編と寡占化が急速に進ん
でいる。独立を選んだ卸売業者は同業他社とのアライア
ンスに生き残りをかけている。そこでは単なる共配を超
え、法人格の異なる企業とのロジスティクス全域にわた
る共同化が実施に移されている。
[ 特集 ]
共同物流入門 物流子会社共配の進め方
2008年10月号
親会社の物流インフラをベースに、同業他社の荷物を取り込んで外販
を拡大し、事業収入を得て親会社の連結決算に貢献する。インフラ稼働
率を上げることで物流コストを削減し、親会社、外部荷主、物流子会社
ともにWIN-WINの関係を築く。そんな青写真を描く物流子会社は多いが、
うまくいっているケースは稀だ。物流子会社が主導する共同配送成功の
カギをキユーソー流通システムに学ぶ。
[ 特集 ]
共同物流入門 運輸業主導型の算盤勘定
2008年10月号
物流専業者が主導する共同配送は、メーカー同士や物
流子会社主導の共配と比べ、荷主の反発は少ない。た
だし、運用に対する協力が得にくい上、核となるベース
カーゴを確保する必要もある。価格競争も熾烈だ。利益
を上げるのは容易ではない。事業性のカギはやはり人材
が握っている。
[ 特集 ]
共同物流入門 中小運送会社の共配事業戦略
2008年10月号
年商10億円以下の地方の零細運送会社の命運は、共
配にかかっている。大手荷主や大手運送会社が車両を
満載にできない小さな商圏でも、地域に密着した地場
運送会社であればカバーできる。そこでは自然発生的
な共配が機能している。
[ 特集 ]
共同物流入門 コラボレーションの最前線
2008年10月号
メーカーと小売業が向こう3年間の市場見通しと経営
目標まで共有する究極のコラボレーションが、欧米市場
で試みられている。「JAG( Jointly Agreed Growth)」
と呼ばれる。取引先を巻き込んだSCMの取り組みが、
ロジスティクスの効率化によるコスト削減を経て、売り
上げと利益の最大化にその目標を移している。