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【第一部】コア人材のキャリア開発を急げ サプライチェーン人材の確保が世界的な経営課題となっている。需給計画から物流オペレーションまでカバーできる人材は限られている。要件を満たす人材には転職市場で厚遇のオファーが集まる。荷主企業の物流部門や3PLで働く実務家にはチャンスだ。一方、企業はコア人材のキャリア開発を急ぐ必要がある。
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【第二部】最前線の仕事、やりがい、人事制度
小売り SCMマネジャー
イオン──グローバル競争の先頭に立つ
メーカーとの直接取引を支える独自の物流インフラの構築に10年越しで取り組んできた。その間に店舗フォーマットは多様化し、PB商品が拡大、さらにはグローバル化が急速に進んだ。新たな課題が次々に浮上する。常に新しいチャレンジを続けることに、SCMマネジャーの醍醐味がある。
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通販 物流事業企画
楽天──日本一のプラットフォームを作る
入社3カ月で日本全国に物流拠点を展開する事業計画をまとめ上げた。すぐに役員会の稟議を受け、電子書籍リーダーの「kobo」と並ぶ楽天の二大新規事業プロジェクトとして位置付けられた。ドラスティックな事業展開とスピード経営を、楽天式人材マネジメントが支えている。
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3PL 提案営業
日立物流──傾向分析から安定稼働まで一貫フォロー
荷主の実績データから物流の傾向を分析し、最適なフローを作成。オペレーションを担当する現場サイドと提案内容を擦り合わせてコンペに挑む。見事、受注が決まっても、まだ仕事は終わらない。立ち上げの準備段階から現場に張り付き、安定稼働まで見届ける。営業スキルと創造性、そして調整能力が求められる。
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3PL センター長
ハマキョウレックス──1日単位で予算の達成を目指す
ハマキョウレックスの代名詞ともなっている独自の収益管理法“日々決算”。その運用を任されている各拠点のセンター長は、オペレーションの責任者であると同時に、経営者としての手腕を求められる。一日ごとに白黒がハッキリと出る厳しい世界で、真剣勝負を続けている。
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特別積合 営業
トールエクスプレスジャパン──仮説を持って荷主に臨む
特積みの営業は荷主の課題を引き出すところから始まる。何のカードも待たずに飛び込んでも成功の確率は低い。ファーストコンタクトの前に情報をかき集め、それをもとに相手が抱えている課題を想像する。具体的な仮説をぶつけることで、交渉はスムーズに動き出す。
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宅配便 支店長
ヤマト運輸──ドライバーを「ヒーロー」に育てる
「宅急便」の主役は最前線で集配に当たる約7万人のセールスドライバー(SD)たちだ。ただし、その組織は複数のセンター(営業所)を統括する全国の支店長たちによって支えられている。SDとして活躍し、現場リーダーのセンター長に昇進。そこで優れた実績を収め、自ら手を挙げて支店長への切符を手にするのがキャリアアップの王道だ。
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海上フォワーダー
郵船ロジスティクス──日本と東南アジアの繋ぎ役として
「チャイナ・プラスワン」から日本への衣料品調達物流に力を入れている。現地の情報をきめ細かく提供することで、荷主が抱く不安を解消し、信頼を勝ち取っている。輸入フォワーディングの仕事を貿易コンサルタントとして位置付け、荷主と直接会い、貪欲に話を聞くことを何より重視している。
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航空フォワーダー
近鉄エクスプレス──荷主の要望に最後まで応える
フォワーダービジネスは、輸送キャリアや倉庫会社のような重いアセットを必要としない。それだけに人材が全てと言われる。なかでもKWEは、荷主の懐に深く入り込み、担当者のあらゆる要望にきめ細かく対応することを自らの強みとしてきた。グローバル化が進んでも、その伝統は変わらない。
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外資系フォワーダー
DHL──グローバルチームでスキルを磨く
顧客ごとにグローバルに組織しているアカウントチームの一員として多国籍企業の営業活動に当たる。フォワーディングの専門家として、サプライチェーン部門やエクスプレス部門と連携し、世界時計を睨みながら各地と日々大量のやり取りを処理している。
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総合商社 物流部門
三井物産──世界規模の研修で「開拓者」育成
グループの幹部候補生を全世界から集め、経営戦略などを徹底討論させている。昨年は、国内の主要物流事業会社が共同で実施している研修内容を全面的に刷新。社員が物流事業の課題を洗い出し、改善策を提言させるスタイルにした。ハードな研修を課すことで、自発的に挑戦する「開拓者」の育成と、グループ経営の強化を狙う。
【第三部】転職市場に見る物流人材ニーズと年収
物流人材の求人ニーズが安定して増えている。転職エージェントは専門部隊を組織して対応に当たる。外資系企業がハイクラス人材を求める一方で、国内の有力物流企業は基礎能力の高い若手未経験者の中途採用を積極化している。キャリアとしての物流の価値は確実に高まっている。
【第四部】米IBMのサプライチェーン人材開発
〈欧米SCM会議21〉
米IBMのサプライチェーン部門「ISC(Integrated Supply Chain)」は、現時点で世界最高のSCM部隊の一つとして知られている。そのスタッフに求められる能力とは、協調性と革新性の2つだという。同部隊の指揮をとるティム・キャロルISC部門ヴァイスプレジデントがIBMの人材管理と教育プログラムについて解説する。
【第五部】「日本人はリーダーシップを誤解している」
ヘイ コンサルティング グループ 山口 周 プリンシパル
ビジネスを成功に導く最大の要因は、経営戦略よりもむしろリーダーシップにある。そしてリーダーシップは、学習によって身につけることのできるスキルの一つだ。イノベーティブな企業はそのことに気付き、経営トップ自らが多くの時間を社員教育に費やしている。
【資料】物流関連資格・大学院 最新ガイド
「物流部門の役割を改めて問い直せ」
多摩大学大学院 松本忠雄 特任教授 物流管理とは具体的に何をすることなのか。メーカーで研究開発畑を歩んできたエンジニアが根源的な疑問と正面から向き合い、全く新しいマネジメント方法を打ち立てた。その結果として辿り着いた物流部門のあり方と役割は、従来のそれとは大きく異なっていた。
平準化に向け取引に“SCMメニュー”
全工場で出荷プロセスの改革を推進
ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ
〈新サービス〉
メーカーのリコール・自主回収をサポート 専門職「コンダクター」が関連業務を統括
商船三井
ケープサイズ事業は今や「負け犬」 シェア拡大と安定利益が復活のカギ
《欧米編》フランス郵政がeコマース専門物流会社買収 《中国編》フェデックスとUPSが中国国内宅配の許可
《第127回》 〜温故知新編 第8回〜
物流黎明期の取り組みに学べ
中国との国交回復に一命を賭した田中角栄 片や口先だけのNOと言えない石原慎太郎
平田義章 国際ロジスティクスアドバイザー
Part5 グローバル・ロジスティクス業界の展望
「16th 2012 Third-Party Logistics Study」を読む
日本ロジファクトリー 青木正一 代表
自転車ナンバープレート制度は有効か
物流行政を斬る《第20回》 老朽化の進む首都高速 再生プランの実現には 予算の再編成が不可欠 産業能率大学 経営学部 准教授 (財)流通経済研究所 客員研究員 寺嶋正尚
グローバル・サプライチェーン 再構築実践ガイドの策定に着手
DATA BANK
●国土交通月例経済(国土交通省)
CLIP BOARD
●「O2O」など国内外の先進事例満載/イー・ロジット角井社長が物流の解説本発刊
●『ロジスティクスの基礎知識』をグッと凝縮/概念から実務まで57のトピックを幅広く網羅
●インターロールがF1チームと/PRパートナー契約を締結